県知事と市町村議員との対話の必要性

 知事選挙前の令和2年12月に、後の知事となる熊谷俊人氏(当時は千葉市長)と方向性を同じくする市町村議員たちが連携を取って行こうという流れが生まれました。そのため、翌年2月に議員たちで「幹を強くする千の葉の会」を立ち上げ、熊谷氏と継続的に対話を続けていくことが確認されました。
 県知事と県議会議員は当然ながら、県議会における質問と答弁など頻繁にやり取りがあります。また、県知事は市町村長とは、要望を受けたり、逆にお願いする関係なので、これも密な連携があります。一方、市町村議員と県知事とのネットワークはこれまでありませんでしたし、全国的にも事例が見つかりません。
 県知事は市町村長と比べると、市民の現場と密接に関わることが少なくなり、現場感が足りなくなってしまう可能性があります。市町村議員は現場感覚を持っていますが、地元市町村のことは専門でも、県政に対する改善を行う力は弱いものがありまし
た。このことから、県知事と市町村議員が対話を続ける意義があるわけです。 

年に3回ほどの対話会を開催

 令和3年4月に熊谷氏が知事に就任してから、1年間に3回の対話会を開催してきました。令和3年度は実施時期がコロナの感染拡大と重なることもあり、いずれもオンライン開催としました。毎回、30名ほどの議員の出席があります。
 コロナ対策・保健所・児童相談所・教育・県道・海岸・環境保全・農業など幅広いテーマで知事と市町村議員がダイレクトに話し合います。とても密度の濃い時間であり、これだけ充実した政治集会はなかなかないと思います。令和4年2月からは、前横須賀市長で官民連携政策のエキスパートである吉田雄人氏が当会の顧問に就任してくださって、政策的にピンポイントのアドバイスを受けられることになり、さらに対話の質が高まりました。

現地開催の対話会の醍醐味。各自治体の市町村議員もつながっていく

 令和4年7月の対話会は千葉市内のホテルで現地開催をすることができました。オンライン参加も含めて25名の議員が参加する集会となりました。知事からはこれまでの対話会の成果として、学校における教育活動の充実とコロナ対策の両立が図れたこと、ビーチクリーンで県の縦割りが解消され市民活動が活発になったことなどの話がありました。
 また、オンラインだと議員と知事のやり取りは充実しても、議員同士の連携が深まりづらい課題もありました。現地開催だと、個々に冗談も交えた本音のやり取りもできるので、各自治体の枠を超えて議員が交流できるメリットがあります。自分の自治体で発生している問題は、他の自治体でも課題になっていることがよくあるので、先進事例を学ぶことには大きな意義があります。また、地震や台風の後なども被害状況や復旧対応の情報交換をしています。
 今後もこういった形で知事との対話会を続け、各市町村と千葉県の発展につなげるために頑張っていきます。

この記事を書いた人

石井敏宏/館山市

石井敏宏/館山市

”難しい問題でも、現場を見て本質を見極め、ポイントを「言語化」し、解決につなげていくことをモットーにしている議員”
千葉県館山市出身。立教大学法学部卒。市議会議員として3期目。生まれも育ちも田舎だが、都市部の大学に行き就職した経験があるので、田舎と都市部の両方の感覚をあわせ持っている。千葉県南部を活性化したい。