まず初めに、著者のキャラクター紹介

学生時代は、早朝はランニング、部活終了後は週4日、21時まで練習、というテニス漬けの生活を経て、社会人になってからは、アマチュアテニスの全国大会、全国スポーツ祭典のテニスの部(主催:新日本スポーツ連盟)で優勝するというテニス人生を自負している秋山あたるです。

千葉市では、老若男女、障害にある・なしに関わらず、全ての人が一緒にそして競い合える、パラリンピックの正式種目であるボッチャの大会を開催するなど、パラスポーツに力を入れているため、興味をもったということもあり、プロ車いすテニスプレイヤーとのプレイについて報告します。

障害者手帳を提示すると、多くのスポーツ施設の利用料が減免・無料になる等、誰でもスポーツを楽しめる環境づくりを推進しています。しているため、興味を持ったということもあります。

車いすのプロテニスプレイヤーとの出会い

1月、都内にて車いすテニスのプロテニスプレーヤーとテニスをプレーする機会を頂きました。

現地に着くと、最初は誰がプロ車いすプレイヤーなのか分かりませんでしたが、しばらくすると目の前にいる方が義足であることに気づき、驚きました。

私は、プロ車いすテニスプレーヤーは車椅子で生活をしているという先入観を持っていたことに気づき、「無自覚な差別意識」をしているかもしれないと怖くなりました。目の前にいるプロテニスプレイヤーは精悍な体つきで、とてもかっこよかったのに、です。

共にプレーをして感じた「超面白い!!」

私も車いすに乗ってテニスをプレーしてみました。

まず、車いすの形状・仕様について説明を受けました。

私が体験した車いすは「体幹がしっかりしている方向け」の仕様でした。

座る部分が浅めに作られており、その分、タイヤの操作や体をより大きく動かすことができます。障害によって車椅子の形が異なるとのこと。車いすの仕様から障害が多様であることを痛感しました。

競技用車いすを操作しながらのテニスは、とても難しいものでした。ボールが飛んでくる位置に移動するために、車いすを両手で漕ぐ必要があるのに、右手には既にラケットを持っています。

右に行きたいのにどっちの車輪を漕げば良いのか頭の中で混乱してしまい、ボールがきてる方向と逆の方向に移動してしまったり。

普段普通にできているテニスがこんなにも難易度が上がるとは・・・

しかし、5分ほどプレーをしてみて感じたことは、

「超面白い!!」

車椅子というアトラクションを楽しみながらテニスをしているので2倍お得したように感じるのです。

参加者の中に笑いの渦が

イベントに参加されていた方も、全然うまく行きません。

ボールが左に飛んできた場合、左に進む必要がありますが、反射的に左車輪だけ操作すると、車いすが回転してしまい、右に進んでしまうなど、通常の方向転換とは全く異なります。

その様子がコケティッシュに見え、笑いの渦が産まれていました。テニスに車いすという要素が加わるだけで、パーティーのように盛り上がれるのかと楽しくなりました。

20年間のテニス人生を送ってきた私が感じた可能性も

車いすでテニスをプレイすることで、まるで足に重りをつけてプレイしている状態を作れるため、ボールの軌道を早く予測しなければならなかったり、目線が低くなるため、うつボールの弾道を高く、さらに回転量を強くするなどのトレーニングになると気付きました。

このような感覚はテニスの上級者がさらに研鑽を積もうとする時の感覚かもしれませんが、僕には新鮮に感じました。

多様性とは何か

今回の経験を通じての気付きは、車いすという要素が加わるだけで、普段のテニスからは思いつきもしないであろう経験が出来たということです。

また練習後もプロ車椅子テニスの大会について、ボランティアの方々が大変な想いをしながらの運営をされていることや、上入賞者の賞金の少なさ、プロ車いすテニスプレイヤーの活動を支えるための仕組みが不足している現状を知ることが出来ました。

さらに未知な体験を通じて人は成長するのだと痛感しました。

多様性について深く知ることによってマジョリティにも得られるメリットが十分にあります。とすれば、WIN-WINの関係性を築けることが重要なのではないでしょうか。

健常者と障害者がテニスを一緒にプレイすることで、お互いの違いを深く知ることにつながったし、私はテニスの新しい一面を知ることが出来ました。

これから目指すもの

1つは、プロ車いすテニスプレーヤーの方と意見交換を重ね、行政としてできること、またこれからの社会を見据えていく中で何が課題なのかを明らかにしていきたいです。

もう一つは、プロテニスプレーヤー、車椅子、立位、一般、高齢者、知的障害者、をテニスでつなげるイベントを立ち上げ、この「多様性」の楽しさ、豊かさを感じられる機会を増やしていきたいと考えています。

この記事を書いた人

秋山あたる/千葉市

秋山あたる/千葉市

"議会では数少ない2、30代世代の感覚をバランスを持って議会に反映させていく”
千葉市若葉区選出。1991年生まれ30歳。小学校から高校まで選出区(若葉区)で育ち、テニスプレーヤー兼コーチ、舞台役者と活動。2019年の統一地方選挙にて当選し、1期目。